経営のヒント。調剤薬局に調剤監査システムを導入する際に考えたい事

薬局デジタル化

こんにちは ねこの静六です。

薬剤師学術大会等に参加されている方であれば世の中には色々な調剤監査システムが存在している事ご存じだと思います。まだまだ調剤監査システムを導入されていない薬局がたくさんある中、調剤過誤に対する意識は大きくなっている事、また、最終的に薬剤師が調剤監査をきちんと行えば、薬を取りそろえるだけ行為については薬剤師以外でも可能となった事から興味を持たれている方は多いと思います。今日は調剤監査システムを導入する際に考えたい事を書こうと思います。

私自身展示会・学術大会等で出店されている監査システムのメーカーについては全て実演又は実際に触れてみて確認しています。どれがよいのか?結果だけ先に言えば調剤薬局に関しては

が良いと考えます。

理由は薬品名+数量の確認が行え、その監査した薬剤を画像として残せるためです。

以前はPORIMSといった薬を取りそろえる際にバーコードを読み取って薬品名確認を行うシステムを使用していましたが、はっきり言えば数量や薬の品名が間違ったまま最終監査の薬剤師までまわってくる事が結構ありました。

先ほど挙げた3つのシステムの中でMediMonitorが初期投資が一番安く、また、データのメンテナンスも含めて月5000円のランニングコストなので監査システムを始めるにはお勧めです。

では監査システムを導入する際に考えておきたいことを述べます。

調剤監査システムの現状の問題点

いきなり問題点からですが、調剤監査システムの現状での一番大きな問題点は

レセコン入力された薬品・数量データを使って、調剤監査システムが監査をしている点です。要はレセコン入力が間違っていれば、監査の機能を果たせないという事になります。

事実、調剤監査システムを導入後、レセコン入力をする医療事務へのプレッシャーが増えています。

この点については2023年度には国が電子処方箋を本格的に導入するようですので、いずれ、レセコンでの処方入力作業自体が減り、ミスはほとんどなくなる事が予想されます。

どういう調剤監査システムなのか?

監査方法については

  1. バーコード照合のみ⇒薬が合っているかのみわかる
  2. バーコード+画像認証+薬の重量監査⇒薬と数量が合っているかわかる
  3. 画像認証+バーコード照合⇒薬があっているかのみわかる

と大きく分けて3種類になります。

この中から考えれば当然2番が良いのがわかります

監査システムが監査を行うタイミングは?

これについては薬局での運用方法になりますが、

先ほどの1.バーコード照合のみの監査システムは各社片手で持ち運べるタイプで、薬を取る際にバーコードを読み込み、レセコンデータと読み込んだデータの照合を行うので、薬を取りそろえながら監査が行えるメリットがあります。しかし、薬を取りそろえている途中での監査システムを使うことはおすすめできません。なぜなら監査システムを使った後に

  • 薬を落下させる
  • 薬の取り直しを行う
  • 立て込んでいて他の患者の薬を入れていまう

といったケースがあるためです。ですので監査システムを使用するタイミングは、

薬を全て取りそろえて、最終的な薬剤師の監査をする直前の段階で監査システムを使用する事が良いと思います。

薬の画像を保管できるほうがよいか?

認知症患者など薬が無いといった問い合わせはかなり多くなっています。本当に間違っている場合も含めて、問い合わせがあった際に取りそろえた薬の画像保管システムはあった方が決着は早いです。

画像保管ができる監査システム例

なお、投薬台で投薬状況を動画で撮影できるカメラもいくつかの会社から販売されていますが、検討する場合には保管した動画が簡単に検索できるか確認する事をおすすめします。動画の検索に時間がかかるようであれば、実質使い物になりません。

将来的に全自動薬剤払出機を導入するか?

  • 全自動PTPシート払出装置 robo-pickⅡ
  • 全自動薬剤払出機Tiara

といった全自動薬剤払出機導入されることもあるかもしれません。全自動払出機を導入しても薬剤の種類は世の中に沢山あるため、一部人の手で薬を取りそろえる作業が発生します。その際には監査システムと全自動薬剤払出機は同一メーカーにそろえることが無難です。

監査システムを導入しても、使ったり使わなかったりして結局使わなくなってしまう薬局もある。導入前には綿密な運用・動線を考える必要がある。

せっかくのシステムを導入しても、使わなければ意味がありません。導入後は、処方箋受付から投薬までの時間は必ず今までより長くなります。そのことに耐え切れずに使わなくなる薬局もあります。完全に電子処方箋になり、処方箋データを直接レセコンへ抽出できれば、監査システムもつ能力の範囲に関しては、ミスはほとんどなくなると思います。ミスが無くなることを考えれば多少の時間のロスは仕方ないと思います。出来ることをどんどん自動化して効率を高めればよいと思います。

デモをしてもらってじっくり吟味してみる。

学術大会や展示会などのブースでは説明を聞いてわかったようになる事が多いです。実際にデモをしてみれば案外「自分の薬局には使いにくいな」等思うことが多々あります

以上が導入する際に価格以外で検討したことです。

調剤過誤が無くなり、安心して調剤できるようになりたいですね。

今日もありがとうございました。

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