匂いを抑えた発酵肥料の作り方。(米ぬか発酵液肥編)

米ぬか発酵液肥 肥料の知識

こんにちは ねこの静六です

今回は発酵時の匂いを抑えながら作る「米ぬか発酵液肥」について紹介したいと思います。米ぬかで作る肥料はコストパフォーマンスが最高なのですが、条件によっては発酵時に強い匂いを放つ事があります。でも、少しのポイントを理解すれば匂いをほとんど抑えて発酵を進める事が出来ます。

米ぬかの肥料成分は?

まず、米ぬかを使用する事で期待できる肥料成分について見てみたいと思います。

生の米ぬか

米ぬかに含まれる肥料成分としては主に以下の様なものがあります。

  • 窒素2%
  • リン酸4%
  • カリウム1%
  • マグネシウム0.8%
  • その他(鉄、亜鉛、銅、マンガンなどのミネラル分やビタミン類)

また、直接的な肥料成分ではありませんが、炭水化物が豊富に含まれています。

  • 分解の早い炭水化物30%
  • 比較的分解の遅い炭水化物(食物繊維)20%
炭水化物はどういう効果が期待できる?

酵母菌や乳酸菌を利用して炭水化物を発酵させると、乳酸や酢酸などの有機酸が合成されます。有機酸は植物の根酸と同様の役割をし、土壌からのミネラルの吸収を良くしたり、光合成の疑似産物として植物の活性化といった効果が期待できます。

匂いを抑えた発酵肥料を作るための条件とは?

堆肥やぼかし肥料などの発酵時に不快な匂いが発する事がありますが、その原因の多くはアンモニアに由来するものです。アンモニアは有機資材中のたんぱく質が納豆菌などの微生物によって勢いよく分解されると多く発生します。そして、アンモニアと納豆菌には以下の特徴があります。

  • アンモニアの特徴:水に溶けやすい、酸性条件下では中和され無臭になる。
  • 納豆菌の特徴:活発に働くためには酸素が必要。また、酸性条件下では働きは穏やかになる。

そこで私は、匂いを抑えながら発酵肥料を作るために、酸性の水を利用し、アンモニアの匂いと納豆菌の働きを抑える様にしています。

匂いを抑えた米ぬか発酵液肥の作り方

それでは具体的な作り方を紹介します。今回は5ℓのタッパー容器で作る場合の分量です

材料
  • 米ぬか 400g
  • えひめAI-2 40㎖
  • お酢
  • 5ℓのタッパ―容器(発酵途中で膨れる為、容量に余裕をもって用意)
  • pH試験紙(pHを測れるものであれば何でも良い)

えひめAI-2の作り方は米ぬかとえひめAI-2で有用微生物の培養とふかふかの土づくり の記事で詳しく紹介しています。

発酵までの作業
米ぬか発酵液肥
撮影日:2022年7月28日 米ぬか発酵液肥の材料を混ぜ合わせpHを調整した状態(発酵前)
  1. 容器に米ぬかを入れる
  2. 40㎖のえひめAI-2を50倍に希釈し、容器に入った米ぬかと馴染ませながら注ぎ、最終的にはかき混ぜるとシャバシャバした感じになる状態にする。(米ぬか100gあたり500㏄程度が目安)
  3. pH試験紙でpH測定し、pH4~4.5の間ならOK
  4. pHが4.5より高い場合はお酢を少しずつ足して、pH4~4.5に収まるように調整する
  5. 調整が終われば、タッパーの蓋をする。(フタの端っこは少し開けておく
pH試験紙

私の使っているpH試験紙です。5mの長さがあるのに数百円で購入できる所が気に入っています。土壌、農薬、液肥等のpH測定でとても活躍してくれています。

これで発酵までの準備は完了です。気温にもよりますが、1日~2日程度で発酵がはじまります。

発酵開始後の作業
撮影日:2022年7月29日 発酵が始まりかなり膨らんでいる状態

気温にもよりますが、活発に発酵が始まるとかなり膨らんだ状態になります。パンが発酵する時の様な香りがします。

2022年7月29日 スプーンで表面を削ってみると発酵が進んでいる事がわかります

ここからしばらくは発酵による炭酸ガスによって米ぬかが上層に上がってきます。1日1回程度、上層と下層をかき混ぜ、作業が終わればタッパーの端っこだけ開けた状態にしてまたフタをします。

発酵が落ち着き、米ぬかが上層に上がってこなくなれば、かき混ぜは行いません。

この発酵で起こっている事は?
  • えひめAI-2の中の乳酸菌、酵母菌の増殖
  • 米ぬか中のたんぱく質がアミノ酸へ分解
  • 米ぬか中の炭水化物がアルコールや有機酸(乳酸、酢酸)への分解・合成
発酵が落ち着いてからの作業
2022年8月7日 発酵が落ち着いてきた状態

10日程度で発酵が落ち着き、炭酸ガスの発生が減り、ほとんど米ぬかが上層に上がってこなくなります。下層には分解に時間がかかる食物繊維などがたまっています。この時点でpHを測定してみると3.5位にまで下がっていました。この時点ではアルコールと酸味が混ざったような香りがします(不快臭ではありません)ここから後10日程度このまま放置します。

pHが下がった要因は?
  • 主に乳酸菌による乳酸や酢酸の合成、酵母菌による酢酸や炭酸ガスの合成がpH低下に影響したと考えられます
最初の仕込みから約20日で完成
2022年8月17日 表面に酢酸菌の膜が張ってきている。

最初の仕込みからおおよそ20日、発酵による炭酸ガスの発生は完全に落ち着いています。これで窒素、リン酸、カリウム、マグネシウム、その他ミネラルと有機酸がたっぷり含まれた米ぬか発酵液肥の完成です。保管はこのまま放置しておいて大丈夫です。

上の写真では液面に半透明の菌膜が発生しています。これは空気中や米ぬか由来の酢酸菌です。酢酸菌は米ぬかが酵母によって分解される際に出来るアルコールを利用して酢酸を合成します。この時点でpH測定をしてみると前回同様pH3.5位でした。匂いは前回よりも落ち着いた酸味のある香りです。

使用方法
2022年8月20日 完成した米ぬか発酵液肥を使用前にかき混ぜた状態

完成した液体肥料は使用前によくかき混ぜます。かき混ぜた後、使用する分だけ分取し、水で70倍に薄めて水やりの感覚で施肥します。

未分解の食物繊維も一緒に散布するので、如雨露を使用する場合には詰まりを防ぐため、シャワーの部分は外して使用してください。特に曇りの日が続き、光合成があまり出来ない時には有機酸効果で作物がシャキッとなるのが体感できると思います。

今回紹介した酸性条件を利用した発酵はぼかし肥料や堆肥を作る際にも応用できますので、是非チャレンジしてみてください!自分なりのよい配合などが見つかるととても嬉しくなります。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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