在宅薬剤師の知識。どのような流れで居宅療養管理指導の依頼が薬局へ来るのか?

在宅/居宅/地域連携

こんにちは ねこの静六です。

私は4年前に在宅医療に関わるようになりました。その後「多職種連携」という言葉が広まるに連れ、地域ケア会議、サービス担当者会議、多職種連携の研修会に多く関わるようになり、色々な多職種の方から居宅療養管理指導の依頼を受けるようになりました。どう対処すればよいのか最初は悩みながら対応していましたが、流れをつかむことが出来てからは割とスムーズに居宅療養管理指導の導入まで行きつけるようになりました。多職種連携会議等に出席していてもまだ在宅をされてない薬局さんもあり、どういった流れで依頼が来るのか?という質問も受けることがありました。今までにどういったパターンで居宅療養管理指導の依頼があり、どう対応したのか実際の事例を書き出したいと思います。

居宅療養管理指導の基本

  • 医師が通院困難と認める患者である事(医師が訪問して診療を行っているかどうかが判断基準ではない)
  • 要支援又は要介護認定の患者
  • 患者との居宅療養管理指導の契約
  • 医師の指示(依頼書や処方箋への居宅療養管理指導依頼の記載)

の4点は新規の居宅療養管理指導を行うたびに確認・準備が必要になります。

その他、薬局の掲示義務、届出関係、契約書、居宅療養管理指導計画書・報告書や報告義務などについては薬剤師向けの在宅の専門書にフォーマット等もあり、詳しく書かれていますので、そちらを参考にされてください。

以降で居宅療養管理指導の依頼のパターンを記載します。

居宅療養管理指導を開始するにあたって、医師から患者の診療情報提供書をもらわないと出来ないのか?とよく質問を受ける事がありますが、医師からの情報提供書はもらうに越したことはありませんが、処方箋の備考欄等に居宅療養管理指導の依頼がきちんと書かれていれば必須ではありません。(2021年1月7日現在)

家族起点の依頼のパターン

家族さんから患者が認知症で薬の管理が出来ていないと薬局へ相談、居宅療養管理指導について家族に説明、患者の同意を得たうえで、介護保険をもっていた患者さんだったので担当のケアマネージャーに報告、ケアマネージャーより病院へ連絡していただき、病院から〇月〇日の診察より指示を出すと回答をケアマネージャーを通して連絡あり。ここまで詰めてから患者との契約を行った。

もし介護保険を持っていない患者であるならば家族又は薬局が(患者同意の上)地域包括支援センター又は居宅介護支援事業所に相談する方法があり。介護保険が認定されるまでは、医療保険の訪問薬剤管理指導で対応可能。

地域包括支援センター起点の依頼パターン

地域包括支援センターのケアマネージャーより、担当患者が薬の管理が出来ていないことについて薬局に相談あり、話の上、居宅療養管理指導で介入する事が良いかも?と結論になり、患者の説明・同意を得た上で薬局から病院へ、ケアマネージャーより相談があり居宅療養管理指導が必要と考える事を連絡し、病院より次回処方より依頼を出していただける事となり、患者と契約を行った。

この時は地域包括支援センターのケアマネが薬局から病院へ説明してもらいたいとの事だったので、薬局から病院へ説明した。地域包括支援センターのケアマネから病院へ連絡してもらうでももちろんよい。

訪問看護起点のパターン

訪問看護の看護師さんより、患者自宅で薬がきちんと管理できていないと相談が薬局にあった。訪問看護でも薬のカレンダーなどへのセットなどは可能だが、看護に時間を使えた方がよいとの結論になり、患者へ同意を得た上で担当のケアマネージャーに報告。ケアマネージャーより病院へ連絡していただき、病院から〇月〇日の処方分より指示を出すと回答をケアマネージャーを通して連絡あり。ここまで詰めてから患者との契約を行った。

サービス付き高齢者住宅の管理者起点のパターン

サービス付き高齢者住宅の管理者より、お住いの患者さんが認知症で薬がきちんと管理できていないので何か方法は無いか?薬カレンダーへの薬セットは医療行為にあたる可能性があり、介護のスタッフではできない。と相談が薬局にあった。患者へ同意を得た上で担当のケアマネージャーに報告。ケアマネージャーより病院へ連絡していただき、病院から次回処方分より居宅療養管理指導の指示を出すと回答をケアマネージャーを通して連絡あり。ここまで詰めてから患者との契約を行った。

居宅介護支援事業所が起点のパターン

居宅介護支援事業所のケアマネージャーより、居宅療養管理指導での薬の管理が必要と思われる患者さんがいると相談があり、患者の同意を得たうえで薬局から病院へ連絡、次回処方より居宅療養管理指導の指示が出る事となり、ケアマネにも居宅療養管理指導を行えることとなった事を連絡。ここまで詰めてから患者との契約を行った。

まとめと在宅業務の関連記事

以上のようなパターンが私が経験した中では多かったです。なんとなく契約までに行うべきことが想像できそうでしょうか?訪問看護や訪問介護などを利用されている患者さんは多いですが、居宅療養管理指導についてはまだまだ事例が少ない事、また患者ごとにケアマネ、主治医は異なるため、ケアマネに変わって薬局から病院へ説明したり、病院へ指示の出し方、通院困難と認める患者であるか?などを薬局から説明したりするケースも多いです。最初は面倒な作業だなと思っていましたが、続けていくうちに薬局が多職種連携で大切な繋ぎになっていきました。

多職種連携って何したらいいんだ?健康相談とか調剤薬局単独でいきなりしてアピールするのもなんかやったことないし焦るなぁ~とか思ってましたが、自然と多職種の中に入っていけた印象です。

以下に在宅に関連するブログ記事のリンクも載せています。もしよかったら覗いてみてください。

在宅・居宅・地域連携記事一覧
地域ケア会議に参加しよう!
どのような流れで居宅療養管理指導の依頼が薬局へ来るのか?
居宅療養管理指導マニュアル① 依頼が来た時
居宅療養管理指導マニュアル② 効率的に依頼を応需するための準備
在宅医療における衛生材料・医療材料の供給の流れについて
在宅訪問・居宅療養管理指導の算定に関して
サービス担当者会議への参加するようになって良かった事
外来服薬支援料で他の薬局でもらった薬の相談に対応する
Airレジ・Airペイ+Squareの決済サービスの併用・連携で決済が楽になり、お客様満足度も向上した
地域連携薬局の基準に関する改正薬機法の検討が始まっています。地域ケア会議には積極的に参加しよう!
2025年の地域包括ケアシステムに薬局も乗り遅れないようにしよう!

調剤薬局の在宅に関する書籍で一番役に立つ書籍です。私はこの書籍の古いバージョンのものを読んだり、困った時に調べながら、在宅・居宅療養管理指導を勉強しました。第3版からは地域包括ケアシステムについても解説が書かれていました。

私は在宅・地域連携に介入しだして以降、多職種の方からの在宅の依頼が多すぎて、自分の薬局だけで受けきれず残念な気持ちになる事があります。在宅を始めてくれる薬局がもっと増え、世の中の在宅依頼への需要に応えることで、調剤薬局の薬剤師として地域貢献したいと思い私の実経験をブログに書かせていただいています。少しでも皆様の現場のお役に立てれば幸いです。

長くなりましたが以上です。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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