在宅薬剤師の知識。在宅医療における衛生材料・医療材料の供給の流れについて

在宅/居宅/地域連携

こんにちは ねこの静六です

在宅医療を行うにあたって、他の薬局の方より、衛生材料・医療材料の提供はどういった流れで行われるのか?という質問を受ける事があり、多職種での集まりの時などに説明する事が多かったので、今日は医療材料の提供について書きたいと思います。

在宅医療で調剤薬局から支給する可能性のある医療材料は大きく分けて3つ

  • 在宅医療で調剤薬局から支給する可能性のある衛生材料・医療材料は大きく分けて下記の3つあります
  • 衛生材料 ガーゼ、絆創膏、2次ドレッシング剤(ロールフィルム等)などの医療雑品
  • 医療材料 ウロバック、パッド付きドレッシングなどの保険適応の無い医療機器
  • 特定保健医療材料 保険適応のある医療機器

この内特定保健医療材料は院外処方箋を受付け、それを元に準備し患者へ渡します。

衛生材料医療材料の支給については

  1. 医療機関は在宅療養指導管理料を算定している患者さんに対しては必要かつ十分な量の衛生材料又は保険医療材料を支給する義務がある。
  2. 医療機関は在宅療養指導管理料を算定していない患者の場合で訪問看護を行っている患者に対して必要かつ十分な量の衛生材料又は保険医療材料を支給すると衛生材料等提供加算を算定できる。

と衛生材料と医療材料に関しては上記2通りの医療機関からの支給方法があります。

要するに医療機関が在宅療養指導管理料を算定している場合や衛生材料等提供加算を算定する場合には必要かつ十分な量の衛生材料又は保険医療材料を支給する必要があるという事です。どちらも算定していない場合や、必要十分以上に患者が望む場合は実費になります。また医療機関からの衛生材料・医療材料の支給は保険薬局( 当該患者に対し て在宅患者訪問薬剤管理指導を行っ ており 、 地域支援体制加算又は在宅患者調剤加算の届出を行っ ている も のに限る。 )に対して指示を出して行う事も可能

以上の事をまとめると下記の図のようになります。在宅療養指導管理料や衛生材料等提供加算を算定する医療機関の指示によって、薬局から支給した必要十分量の衛生材料・保険医療材料費用は医療機関へ請求します。その費用はあらかじめ医療機関と調剤薬局間で取り決めする。

医師の訪問診療や看護師による訪問看護を行っているにも関わらず、自費で衛生材料・医療材料を購入される場合には確認してあげた方がよいと思います。

医療材料支給の流れを1枚のgoogleスライドにまとめました。

療養担当規則で実費徴収が認められるもの

令和2年3月23日に厚生労働省より「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」の一部改正についての通知がありました。そこには以下のように実費が認められるものと、認められないものの記載がありますので、きちんと確認したいですね。

療養担当規則 実費徴収が認められるもの

療養の給付と直接関係ないサービス等
療養の給付と直接関係ないサービス等の具体例としては、次に掲げるものが挙げられること。
(1) 日常生活上のサービスに係る費用
おむつ代、尿とりパット代、腹帯代、T 字帯代
イ 病衣貸与代(手術、検査等を行う場合の病衣貸与を除く。)
ウ テレビ代
エ 理髪代
オ クリーニング代
カ ゲーム機、パソコン(インターネットの利用等)の貸出し
キ MD、CD、DVD 各プレイヤー等の貸出し及びそのソフトの貸出し
ク 患者図書館の利用料 等
(2) 公的保険給付とは関係のない文書の発行に係る費用
ア 証明書代
(例)産業医が主治医に依頼する職場復帰等に関する意見書、生命保険等に必要な診
断書等の作成代 等
イ 診療録の開示手数料(閲覧、写しの交付等に係る手数料)
ウ 外国人患者が自国の保険請求等に必要な診断書等の翻訳料 等
(3) 診療報酬点数表上実費徴収が可能なものとして明記されている費用
在宅医療に係る交通費
薬剤の容器代(ただし、原則として保険医療機関等から患者へ貸与するものとす
る。) 等

(4) 医療行為ではあるが治療中の疾病又は負傷に対するものではないものに係る費用
インフルエンザ等の予防接種、感染症の予防に適応を持つ医薬品の投与
イ 美容形成(しみとり等)
ウ 禁煙補助剤の処方(ニコチン依存症管理料の算定対象となるニコチン依存症(以下
「ニコチン依存症」という。)以外の疾病について保険診療により治療中の患者に対し、
スクリーニングテストを実施し、ニコチン依存症と診断されなかった場合であって、禁
煙補助剤を処方する場合に限る。)
エ 治療中の疾病又は負傷に対する医療行為とは別に実施する検診(治療の実施上必要と
判断し検査等を行う場合を除く。) 等
(5) その他
保険薬局における患家等への調剤した医薬品の持参料及び郵送代
保険医療機関における患家等への処方箋及び薬剤の郵送代
ウ 日本語を理解できない患者に対する通訳料
エ 他院より借りたフィルムの返却時の郵送代
オ 院内併設プールで行うマタニティースイミングに係る費用
患者都合による検査のキャンセルに伴い使用することのできなくなった当該検査に使
用する薬剤等の費用(現に生じた物品等に係る損害の範囲内に限る。なお、検査の予約
等に当たり、患者都合によるキャンセルの場合には費用徴収がある旨を事前に説明し、
同意を得ること。)

キ 院内託児所・託児サービス等の利用料
ク 手術後のがん患者等に対する美容・整容の実施・講習等
ケ 有床義歯等の名入れ(刻印・プレートの挿入等)
コ 画像・動画情報の提供に係る費用(区分番号「B010」診療情報提供料(Ⅱ)を算
定するべき場合を除く。)
サ 公的な手続き等の代行に係る費用 等

自宅でお住まいの方で介護保険を利用されている方のおむつ代、尿取りパッドは条件が合えば各市町村から一定数支給される事があるので、各市町村のHPなどで確認してください。

療養担当規則で実費徴収が認められないもの

療養担当規則 実費徴収が認められないもの

療養の給付と直接関係ないサービス等とはいえないもの
療養の給付と直接関係ないサービス等とはいえないものとしては、具体的には次に掲げるものが
挙げられること。
(1) 手技料等に包括されている材料やサービスに係る費用
ア 入院環境等に係るもの
(例)シーツ代、冷暖房代、電気代(ヘッドホンステレオ等を使用した際の充電に係
るもの等)、清拭用タオル代、おむつの処理費用、電気アンカ・電気毛布の使用
料、在宅療養者の電話診療、医療相談、血液検査など検査結果の印刷費用代 等
イ 材料に係るもの
(例)衛生材料代(ガーゼ代、絆創膏代等)、おむつ交換や吸引などの処置時に使用
する手袋代、手術に通常使用する材料代(縫合糸代等)、ウロバッグ代、皮膚過
敏症に対するカブレ防止テープの提供、骨折や捻挫などの際に使用するサポータ
ーや三角巾、医療機関が提供する在宅医療で使用する衛生材料等、医師の指示に
よるスポイト代、散剤のカプセル充填のカプセル代、一包化した場合の分包紙代
及びユニパック代 等

ウ サービスに係るもの
(例)手術前の剃毛代、医療法等において設置が義務付けられている相談窓口での相
談、車椅子用座布団等の消毒洗浄費用、インターネット等より取得した診療情報
の提供、食事時のとろみ剤やフレーバーの費用 等
(2) 診療報酬の算定上、回数制限のある検査等を規定回数以上に行った場合の費用(費用を徴
収できるものとして、別に厚生労働大臣の定めるものを除く。)
(3) 新薬、新医療機器、先進医療等に係る費用
ア 薬事法上の承認前の医薬品・医療機器(治験に係るものを除く。)
イ 適応外使用の医薬品(評価療養を除く。)
ウ 保険適用となっていない治療方法(先進医療を除く。) 等

以上です。在宅医療に関する疑問を少しでも解消して、在宅に関わる薬局が多くなることを願っています。

今日もありがとうございました。

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