農薬の知識。「ボルドー液」の調整手間を省いた万能予防薬「Zボルドー」で真菌・細菌性病害を予防!

農薬の知識

こんにちは ねこの静六です。

秋から冬へ移行するこの季節は虫が減り、野菜への害虫被害が少なくなり、野菜にとっては良い季節になりました。地中の害虫はまだまだ活発なので注意は必要です。

今日は強雨後のカビなどの細菌感染予防の為に是非使いたい農薬Zボルドーについて書きたいと思います。Zボルドーをうまく使えると植物に発生する多くの病気を予防する事ができ、健康な野菜の育成に役立ってくれます。

ボルドー液とは?

ボルトー液はフランスのボルドー大学で開発された銅殺菌剤です。

銅剤は植物表面に固着した成分が、雨や植物の分泌物によって徐々に溶けて殺菌力を示し、成分が植物に固着している限り効果が持続します。また、銅剤は農薬としては安全性が高く食の安全に寄与します。

ボルドー液は効果が高いが・・・
  • 調整に手間がかかる
  • 調整の手順を間違えると全く効果が出ない。

といった技術を要する欠点があったため、ボルドー液の効果をある程度誰にでも利用できるようにしたものが現在販売されている銅剤となっています。植物への固着性が本物のボルドー液には落ちるが薬剤を水に溶かしたり、希釈するだけで薬液が出来上がるので利便性が良くなっています。

そんな銅剤の中でも私が気に入って使用しているのがZボルドーです。以下で紹介します。

Zボルドーの特徴

Zボルドーの特徴
  • 銅殺菌剤(主として細菌・糸状菌感染の予防に使う)
  • 植物体上に被膜を作り、 徐々に放出される銅イオンにより殺菌作用を示す。
  • 糸状菌・細菌共に効果があり幅広い菌に効果がある。(斑点細菌病、褐斑細菌病、黒腐病、軟腐病、べと病、黒斑細菌病等他にも沢山適応があります)
  • 予防的な使用に適する。(定期的な早めの散布、梅雨時期や雨あがり)
  • 野菜類で登録を有しており使用回数が無制限(果実、樹木、お茶などは使用制限あり)
  • 耐性菌出現リスクが低く、既存剤に対する耐性菌に対しても有効である。
  • 残効期間が雨量にもよるが2~3週間
  • 銅剤の薬害低減の為に亜鉛とマグネシウムを配合する事で薬害リスクを低減している。銅、亜鉛、マグネシウムが微量要素欠乏にも役立ちます。
  • 日本農林規格(JAS)の有機農産物栽培においても使用可能

Zボルドーの使用時期

Zボルドーの上手な使い方 日本農薬株式会社HPより引用

上の図のように生育初期や苗、結球期その他新芽、開花期には薬害が出やすくなります。

Zボルドーを始め、銅殺菌剤は柑橘系植物でスタメラノーズという葉や果実の表面に小さい黒点が出る薬害が知られています。炭酸カルシウム水和物(クレフノン等)を加用する事で薬害を軽減する事が出来ます。柑橘系やリンゴなど必ず炭酸カルシウム水和物の加用が必要な作物も存在するのでZボルドーの注意事項は必ず確認しましょう!

私自身は野菜の栽培においてZボルドーをキクナ(春菊)、ほうれん草、チンゲン菜、人参等に炭酸カルシウムを加用せず使っていますが、薬害は出た事はありませんので過度な心配は必要は無いと思います。ただし収穫間際のZボルドーの散布は野菜に汚れが付いた様に見えてしまう(食べる事に問題ない)事があるので、収穫間際の散布は避けた方が良いです。高温が続いたり、銅製剤の散布量が多すぎたり、散布回数が多すぎたり、濃度が濃すぎたり、汚水で調合したりすると薬害が出やすいです。

Zボルドーの調整

Zボルドーと展着剤のダインです
溶解すると濁った水色になります

野菜類への使用時の希釈方法を記載します。

野菜類への使用時500倍希釈の方法(1リットル作成例)
  • 水適量(500㎖位)に展着剤ダインを0.1㎖~0.3㎖混和する

    ダインはスポイトなどを使って計量してください

  • ダインを溶かした水にZボルドーを2g量りよく混和し全量を1000㎖(1リットル)にする。

    噴霧容器のメモリなどで計量してください

以上で出来上がりです。

さらにクレフノン(炭酸カルシウム水和物)を混用する場合にはクレフノンを5g~10g使用します。〈炭酸カルシム水和物製剤の説明書を確認してください〉

銅剤をうまく使えると、農薬も少なくて済む

以上でZボルドーの調整方法を紹介しました。私は天気予報を見て雨の後や、梅雨時期など雨がしばらく降りそうな時に予防として使用しています。予防的な使用で、雨による泥はねなどの病気はほとんど防げています。元気に野菜が育つと病気に強くなりますし、上手に銅剤を使用出来る事は野菜を育てるのに大切な技術だと思います。

今日もありがとうございました。

Zボルドーは殺菌剤の中では値段も安価なのでお勧めです。

展着剤(ダイン)を使用する事で植物へ薬剤がくっつきやすくなります。植物の葉や茎には天然のワックス成分があって、ただの水溶液だと弾いてしまいくっつきにくいです。

Zボルドーの薬害を軽減する時に使用する炭酸カルシウム水和物です。柑橘系など使用作物によっては炭酸カルシウム水和物の加用指示があります。

コメント

  1. 匿名 より:

    自由へのポートフォリオのボルドー液の作り方が大変参考になりました、ありがとうございました。富士山の麓の町で家庭菜園(200坪位)各種野菜を無農薬で栽培しています。昨年ニンニクを1000本ほど栽培しましたが半分以上がさび病(赤さび)で結果がよくありませんでした。 農薬の事をいろいろ調べボルドーZが良さそうに感じました。
    そこで大先輩である貴殿さまにボルドー液の作り方で教えていただきたく宜しくお願いいたします。噴霧器は5Lですか500倍でボルドーZ10gはわかりますが展着剤のダインは何ミリ程度混合すれは良いでしょうか、スタートとして500ml程度の水にボルドーZとダインを混ぜた液を作ってから噴霧器の4.5Lに投入することは問題ありませんか、お手数をお掛け致しますが宜しくお願いいたします。

    • seirokuseiroku より:

      前田様

      ご質問ありがとうございます!
      ニンニクのさび病大変ですね。私はZボルドーを予防的に使いだしてからは菜園の病気はかなり減りました。微量元素:銅・亜鉛・マグネシウムの補給にもなります。
      展着剤のダインは1ℓの溶液あたり0.1㎖~0.3㎖使用するだけですので、5ℓであればダインを1㎖使います。
      「混ぜ方はスタートとして500ml程度の水にボルドーZとダインを混ぜた液を作ってから噴霧器の4.5Lに投入する」
      で正しいです。
      農薬は基本的には(展着剤➡液剤➡乳剤➡水溶剤➡ドライフロアブル➡フロアブル➡水和剤)という水に溶けやすい物から混ぜます。
      (※例外:アビオンE、ペタンV、まくぴかといった泡立ちがとても強い展着剤は最後に入れます)
      展着剤ダインはシャワーで給水すると泡立ち過ぎるので注意してくださいね。
      楽しくて美味しい野菜が出来る助けになれば幸いです。
      ありがとうございました。

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