アーリーセーフ。ハダニ・アブラムシに有効な天然物由来の殺虫殺菌剤

アーリーセーフ 農薬の知識

こんにちは ねこの静六です。

今回は農薬アーリーセーフについて書きたいと思います。

アーリーセーフは適用病害虫は多くありませんが、天然物由来の安全性の高い有効成分で、収穫前日まで何度でも使用できるので、他の農薬が使用できない場合に重宝します。今回はアーリーセーフの有効成分の研究データも一緒に紹介します。

アーリーセーフの基礎情報

淡黄色で匂いはあまりありません。
有効成分脂肪酸グリセリド 90.0%                 
性状淡黄色澄明可乳化油状液体
規格100㎖
殺虫剤の系統気門封鎖剤
使用方法規定の希釈倍数に水で薄めて使用
その他の特徴①天然物(ヤシ油)由来の有効成分
②有機JAS規格(オーガニック栽培)で使用可
②収穫前日まで使用可
③使用回数に制限なし
④ハダニ類、コナジラミ類、アブラムシ類の他うどんこ病にも効果がある
2022年3月24日現在

アーリーセーフの効き方

アーリーセーフの主な作用は、有効成分の脂肪酸グリセリドがアブラムシ等の呼吸器官である気門を封鎖し、呼吸できなくする事で殺虫効果を示します。

うどん粉病に対しては菌糸の伸長抑制効果等があります。

以下にソラマメに発生したアブラムシと薬液散布後の画像を載せています。ソラマメはアブラムシの被害に遭いやすく、私は以前ソラマメを栽培した際に、アブラムシによって媒介されたウイルス病でまともに収穫出来なかった事があります。

撮影日:2022年3月25日 ソラマメに発生したアブラムシ。
撮影日:2022年3月25日 アーリーセーフ散布後の様子。薬液がきちんとアブラムシに付着すれば効果はすぐに現れます。

適用病害虫と使用方法

2022年3月24日現在のアーリーセーフの適用害虫と使用方法です。

利用方法は作物や病害虫の種類に応じて規定の濃度300倍~600倍に水で希釈するだけなので簡単です。

私はアーリーセーフを効果的に使用するために

  • 散布液調製後はできるだけ速やかに散布
  • 規定の濃度で葉裏等に散布むらを生じないように丁寧に散布
  • 害虫の多発生時は数日間隔で連続散布する

といった事を注意して使用しています。


脂肪酸グリセリドに関する研究データの紹介

アーリーセーフの有効成分である脂肪酸グリセリドの効果を研究したデータを2つ紹介したいと思います。

1つ目はハクサイダニ(発生時期:11月~4月)に対し、脂肪酸グリセリドの効果が高いというデータです。栃木県農業環境指導センターの春山直人先生の文献の中から見つけました。下の過去ブログで詳しく紹介しています。


2つ目は岐阜県農業技術センターニュース No.42に掲載されていた油脂系気門封鎖剤のタバココナジラミに対する効果の研究データです。その中で脂肪酸グリセリドはタバココナジラミに対する殺虫効果の他、脂肪酸グリセリド散布6日後でも無処理の葉と比べ、タバココナジラミの忌避、産卵数の減少、10日間隔で散布すれば、タバココナジラミの成虫数を化学農薬と同等に防除出来る結果となっていました。とても勉強になる内容で面白かったです。

画像引用先:岐阜県農業技術センターニュース No.42

アーリーセーフ(1本100㎖)と同じ脂肪酸グリセリドを有効成分とする薬剤にサンクリスタル乳剤があります。規格が1本500㎖と大容量ですが少し割安で購入出来ます。広範囲に使用される方にはこちらの方が良いかも知れません。


農薬使用時には製品添付の説明書で適用病害虫・使用方法、注意点をきちんと確認しましょう!

今までアーリーセーフには天然由来成分で安全性は高いが、化学農薬には効果が劣るといった印象がありましたが、今回の研究データを知り考えが改めさせられました。今後使用していて新しい発見があればブログで紹介したいと思います。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

農薬の知識
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