カリグリーン。うどんこ病の殺菌剤はカリウム肥料効果も期待できる優秀な薬剤

カリグリーン 農薬の知識

こんにちは ねこの静六です。

今回は私のブログでよく登場するカリグリーンと言う殺菌剤について紹介したいと思います。

私は野菜栽培で使用する殺菌剤の90%以上をカリグリーンとZボルドーの2剤で済ませています。それは以下の様な理由から使い勝手が良いと感じている為です。(2022年5月4日現在の情報で記載)

  • 2つの薬剤で貸農園で栽培する野菜の多くの病気に対応できている(私の使用経験上)
  • 両剤ともに日本農林規格(JAS)の有機農産物栽培においても使用することができる薬剤
  • 野菜類という大きな枠組みで適用を取得している
  • 多くの作物で使用回数制限が無く、前日まで使用可能
  • 薬剤に対する耐性菌出現リスクが低い

使いやすそうな薬剤だと思いませんか?それではカリグリーンについて詳しく紹介したいと思います。

カリグリーンに効果のある病気は?

まずカリグリーンがどういった病気に使用できる薬剤なのか紹介します。以下がカリグリーンに適用のある作物と病害名です。2021年9月4日現在の情報で作成しました。最新の適用は石原バイオサイエンス株式会社のHPで確認してください。➡石原バイオサイエンス株式会社のHP

適用作物名適用病害名使用時期
麦類うどんこ病収穫前日まで 
りんごうどんこ病収穫前日まで
ブルーベリー灰色かび病収穫前日まで
野菜類(トマト、ミニトマトを除く)うどんこ病、さび病、灰色かび病収穫前日まで
トマト、ミニトマトうどんこ病、さび病、灰色かび病、 葉かび病 収穫前日まで
ホップうどんこ病、灰色かび病 収穫前日まで
たばこうどんこ病収穫3日前まで
花き類・観葉植物うどんこ病 発病初期
きくうどんこ病、白さび病発病初期
2022年5月4日現在の情報

収穫日前日までうどんこ病、さび病、灰色かび病の治療として野菜類全般に広く使用できる事がわかると思います。トマト、ミニトマトに関してはさらに葉かび病にも適用を持っています。

エンドウにうどんこ病とさび病が同時に発症してしまった時の様子。

うどんこ病、さび病
撮影日:2021年5月12日。白い粉の様な所がうどんこ病、赤い鉄さびが浮いたようになっている部分がさび病です。

上の写真はエンドウにうどんこ病とさび病が同時に発症した時の様子です。収穫が終わり、もう株が弱っている時期なので一気に発症しました。どちらの病気も4月~6月と9月末~11月頃までの夏場よりも少し気温が低く、空気が乾燥する時期に発症しやすいです。

キュウリに発症したうどんこ病

キュウリうどんこ病
撮影日2021年6月15日 キュウリに発症したうどんこ病

キュウリはうどんこ病になりやすい野菜で有名です。春植えの場合は夏前まで、秋植えの場合は9月後半以降の気温が少し低めで乾燥している時期は注意が必要です。私の使用経験上ですが、早めに治療すれば翌日にはうどんこ病の症状がほどんど良くなっています。

カリグリーンの薬剤的特徴

カリグリーンの主な特徴は以下の様になります。

有効成分          炭酸水素カリウム80.0%              
性状類白色水和性粉末
安全データ石原バイオサイエンス株式会社の製品安全データシート
使用方法 規定の希釈倍数に水で薄めて薬液を調整
使用の際には展着剤を加用する
薬液が触れた部分にしか効果が出ない薬剤なので、十分薬液がかかるように丁寧に散布する。
5~7日間隔で、2~3回散布がより効果的(たばこは2回)

カリグリーンは予防効果は期待できず発病後の治療で効果を発揮
その他特徴適用作物が多い
野菜類で広く登録を取得している。
使用前には適用作物・使用時期を確認しましょう。

耐性発達の懸念は少ない
カリウムイオンが植物病原菌の細胞に入り込み、細胞機能に障害を起こす事で作用を発揮する。他剤耐性菌に有効で耐性菌の出現もほとんどないと考えられ、連続散布が可能

肥料効果も期待できる
カリグリーンは水溶性カリとして肥料登録もされています。(肥料登録:生第86632号)

人や環境に優しい
収穫前日まで使用可能(たばこ以外)
JAS(日本農林規格)が定める有機農産物にも使用可
2021年9月4日現在の情報で整理
炭酸水素カリウムは海外では食品添加物としても使用

カリグリーンの有効成分である炭酸水素カリウムはEUではPH調整剤(E501)として食品添加物の認可を取得し、有機ワインの酸度調整でも使用できる添加物として認められているそうです。日本ではまだ食品添加物としては未認可ですが、気候特性上酸度が強くなり易い日本産ワインへの使用など、食品添加物としての指定を望む声も出ています。

参考資料: 内閣府食品安全委員会(第1回ぶどう酒の製造に用いる添加物に関するワーキンググループ資料3-1

私のカリグリーンの使い方。カリウム肥料としての効果を期待した早めの使用

私は先ほど、「カリグリーンは予防効果は期待できず発病後の治療で効果を発揮」と紹介しました。病気に対しての効果は確かに発病後しか期待できませんが、私は「うどんこ病や、さび病等になりそうかも?」と何となく感じた時には症状が出ていなくても早めに野菜全体に散布します。結果的に病気は思い過ごしだった場合もありますが、カリウム肥料として効果が出れば良いと思って使用すれば無駄にはなりません。

カリウムはどんな肥料?
ダインとカリグリーン
左:展着剤ダイン、右:カリグリーン。カリグリーン1000倍希釈液作成。ダインを0.1㎖とカリグリーン1gを水1㍑に希釈すれば完成
カリグリーン1000倍希釈
カリグリーン1000倍希釈溶液。ダインの色で少し茶色い溶液になっています。写真撮影のためビーカーに移しましたが、普段は散布機の中で直接混ぜています。


展着剤

植物の葉っぱにはワックス成分のようなものがついているため、単純に水分を吹きかけてもはじいてしまいます。そのため界面活性剤の入った展着剤を「展着剤の加用が望ましい」と説明書に記載されている農薬で使用します。広めの家庭菜園をする場合には農薬単体と展着剤を別々に購入した方がコストはかなり安くつきます。

今回はカリグリーンについて紹介させていただきました。

農薬は使用方法を誤ると効果が十分に現れないばかりか、薬害が出てしまう事もあります。用法用量はきちんと守って使用しましょう!

野菜栽培のヒントになれば幸いです。

最後まで読んでくださってありがとうございました。

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