医療安全情報。役立つ薬局ヒヤリ・ハット事例①

ヒヤリハット 薬剤/医療安全/介護診療報酬

こんにちは ねこの静六です。

公益財団法人日本医療機能評価機構のヒヤリ・ハット事例から気になる事例を紹介したいと思います。今回紹介する事例とは直接関係ないですが、最近の傾向としては監査支援システムを導入しているが、処方箋内容のレセコン入力ミスによりシステムが機能せずエラーとなった事例が増えてきている様に感じます。

麻薬の譲渡のヒヤリ・ハット!!!!

事例の詳細
2021年11月某日の金曜午後に麻薬の薬局間譲渡の依頼の電話があった。
オキシコドン、NX、5mg と確認、電話のみで処方箋、Faxでの連絡は無かった。
帳簿を確認し最初在庫なしで断ったが、帳簿の見出しがなかっただけで、オキシコドン徐放錠5mgNX「第一三共」の在庫を確認したため依頼先に折り返したところ、電話した薬剤師が電話に出られなかったため伝言を依頼。
翌日土曜日に再度電話にて14錠の依頼があり、譲渡の準備をした。
譲渡先の薬剤師が取りに来たが、電話をした本人ではなく代理の薬剤師で用意された麻薬をもって帰局。
帰局後の担当薬剤師より、「徐放錠でなく普通錠」と電話が来て間違えが発覚。
患者への投薬前にすべて回収。
背景・要因
当薬局採用のオキシコドン製剤がオキシコドン徐放錠5mgNX「第一三共」とオキシコドン徐放錠20mgNXのみで、オキシコドン普通錠の在庫歴はなく、帳簿も徐放錠のみ、処方箋等の印刷物も無しで、電話での要件伝達のみだったため、徐放錠と思い込み準備した。
薬局における改善策
電話のみでなく、FAXにて薬局間譲渡の希望薬剤を確認する。
帳簿のみでなくレセコンでの在庫確認を行う。
公益財団法人日本医療機能評価機構ヒヤリ・ハット事例収集事業より引用

原文のまま引用

気になった点・考察

今般の医薬品不足で店舗間分譲はかなり増えていると思います。譲渡・譲受証の書式は店舗毎に異なる事も多く、煩雑で特に注意を要する業務になります。今回は麻薬の分譲という事で下手すると事故扱いになり、その後の処理はかなり面倒な事になります。効率的な営業が求められる現在の調剤薬局においてこういったミスによる時間のロスは避けたいものです。

きちんと薬品名・薬価・数量・金額が書かれた依頼書のFAXをいただき、対応する事が基本です。守ってもらえない様であれば依頼を断る事が正しい対応です。

テオフィリン製剤は力価チェックだけではダメ!

事例の詳細
処方薬にユニフィルLA200mgと記載がありGEに変更の際にテオフィリン徐放錠100mg「サワイ」を調剤して一包化した。監査した薬剤師が発見し、再度、調剤した薬剤師が一包化しなおし、交付した。
背景・要因
当薬局には、テオフィリン徐放錠100mgとテオフィリン徐放錠200mgの在庫があり、調剤薬剤師は、200mgと確認していたが、その直後100mgの納品があり、その流れで、100mgを調剤したと思われます。
薬局における改善策
薬の規格に関しては、薬品によりいろんな規格があり、間違えやすいので、再度、全薬剤師に規格に蛍光マーカーなどで印をして、確認して調剤に入るように、周知しました。
調剤の最中に、別の行動をとらないといけないこともあるが、その時は、もう一度、確認して調剤するように心がけるようにしようと思います。
公益財団法人日本医療機能評価機構ヒヤリ・ハット事例収集事業より引用

原文のまま引用

気になった点・考察

ユニフィルLA錠200mgのジェネリックをテオフィリン徐放錠100mg「サワイ」で調剤したと書かれていますが、一般名は下記のようになります。

製品名一般名
ユニフィルLA200mg 「テオフィリン徐放錠24時間持続型」
テオフィリン徐放錠100mg「サワイ」 「テオフィリン徐放錠12時間~24時間持続型」

力価の規格以前に一般名の規格がそもそも異なっています。ユニフィルLAをジェネリック対応する場合、ユニコン錠やテオフィリン徐放U錠「トーワ」で調剤する必要があります。作り直した薬剤名がきちんと表記されていないため、詳細はわかりませんが、要因を読む限りでは一般名について触れていないので嫌な予感もします。

ミコンビAPとBPの間違い。患者さんの話をきちんと聞いておけば・・・

事例の詳細
一般名処方でテルミサルタン80mg・ヒドロクロロチアジド配合錠と記載、前回が(般)テルミサルタン・ヒドロクロロチアジド
配合錠(AP)であった。
前回と処方変わりないと勘違いし、前回同様ミコンビAPで入力、調剤者も入力見てミコンビAPを調剤。投薬時、患者様から用量が増えているはずと主張があったにもかかわらず、入力のみ信じ、投薬。結果、患者様からクリニックに連絡入り、間違い発覚
背景・要因
一般名処方で前回と同じと勘違いし、入力。監査(人の目)、監査機(Audy)も入力通りの監査で通り、投薬。ここまでの過程で間違いに気づかなかったとしても、患者様からの主張に耳を傾けて確認すれば、間違いに気づけたと思われる。
薬局における改善策
配合剤の処方記載に注意。処方箋をよく見る。
患者様の主張に耳傾ける。前の薬歴をよく見ること。
患者様とのコミュニケーション不足も原因と考えられる。
公益財団法人日本医療機能評価機構ヒヤリ・ハット事例収集事業より引用

原文のまま引用

気になった点・考察

患者さんから申し出があれば普通は確認したくなると思いますが、どうして患者さんの主張に耳を傾け無かったのか?その点をきちんと解決すべき。監査支援システムを入れても処方入力が間違っていれば全く役に立たない事を理解し、調剤監査時には一般名を必ず確認するようにすれば、こんなに気づくチャンスが多かったエラーは防げたと思います。

アルボ錠200mgとアボルブカプセル0.5mg処方間違い、きちんと患者に確認した事で発見できた。

事例の詳細
アルボ錠200mg1日2錠朝夕食後21日分の処方箋を持参され、初めての処方のため患者ご家族様に状態をお聞きしたところ、尿の具合が悪く相談の上処方された薬とのこと。痛みが伴うか確認したところ、そのような訴えはないと言われるため、念のため疑義紹介。結果、アルボ錠200mg1日2錠朝夕食後21日分からアボルブカプセル0.5mg1日1カプセル(調剤はデュタステリド錠0.5mg1日1錠)朝食後21日分に変更。
推定される要因
今回の場合、「アボルブ」を記載するところ「アルボ」が記載されてしまったと後から考えられましたが、疑義照会するまでは想像もつかず、処方用法用量も問題がなく、患者ご家族様との話だけでは半信半疑ではありました。ただ、このことがあり何か疑問を感じることは必ず問い合わせをする必要があると、あらためて実感する事例でした。
薬局での取り組み
疑問な点は出来るだけ複数人で共有して相談ができる体制をとるようにしています。
公益財団法人日本医療機能評価機構ヒヤリ・ハット事例収集事業より引用
気になった点・考察

先ほどのヒヤリ・ハットと異なり、きちんと確認し、疑義を放置せず紹介した事で発見できたナイスプレーだと思います。間違った薬剤を正しい用法で処方されるパターン怖いですね。

今回は調剤薬局薬剤師目線で4例紹介させていただきました。先人のミスや経験を知る事は自己防衛力を高める為にとても役立ちます。

まだまだ気を付けておきたいヒヤリ・ハットは沢山ありますので紹介していきたいと思います。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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