家庭菜園でエンドウ栽培。冬の厳しい寒さが成長のかなめ

野菜の育て方

こんにちは ねこの静六です。

今回は貸農園で育てるエンドウについて書きたいと思います。エンドウは春を代表するような野菜です。毎年道の駅などで沢山のエンドウが並んでいるのを見るとつい買ってしまいます。今回私の栽培履歴を栽培段階ごとに行った作業や画像を紹介しています。栽培期間が長いですが、その分とても美味しく、楽しめる野菜です。

エンドウの基礎情報

植物としての特徴

  • 科名属名:マメ科エンドウ属
  • 発芽適温:15℃~20℃(4℃以上で発芽がはじまる。10℃程度でも発芽日数がかかるが発芽率は良い
  • 生育適温:15~20℃
  • 耐寒性:幼苗は寒さに強い
  • 耐暑性:暑さには弱い
  • 土壌:弱酸性(PH6)~中性(酸性土壌に弱い)
  • 日照:日なた
  • 水やり:乾燥が激しい時は水を与える。
  • 種を蒔く時期:10月中旬~11月中旬(3月~の春まきが可能な地域もある)
  • 開花:4月~5月
  • 収穫:種まきから180日
  • 樹高:180cm前後
  • 開花から収穫までの期間:実エンドウで28~30日、さやエンドウで12~15日。さやエンドウはさやが大きくなってその中の実のふくらみが外側からわずかに見え始めた時、実エンドウは実が太り、サヤにしわが出始めた時が収穫時
  • その他:最も耐寒性が強い幼苗(本葉2~3枚)で冬を越せる様に種まきの時期には注意
  • その他:連作障害が起こりやすい。同じ土地で栽培するには3年~5年間隔をとる。
  • その他:越冬までに成長が進みすぎた場合はしっかり防寒対策をする。
  • その他:寒さに当たらないと花芽が付かない。

薬膳として特徴

  • 性質:平(熱・温・平・涼・寒の5段階)
  • 体に効く場所:脾
  • 働き:体に貯まった余分な水分を出す作用がある
  • 利用目的:水分代謝不良によるむくみやだるさ、花粉症の鼻水、涙に利用。低GI食品として利用

注意したい主な害虫・病気、対応する農薬

農薬はよく説明書を読んで使用しましょう!

主な病害虫

  • アザミウマ
  • アブラムシ
  • イモムシ
  • カメムシ
  • コガネムシ
  • ハダニ
  • ハモグリバエ
  • ヨトウムシ
  • メイガ
  • タバコガ
  • ネキリムシ
  • うどん粉病
  • 立枯病
  • 灰色カビ病

準備した害虫用農薬

貸農園に植え付ける段階で土壌のネキリムシ、ヨトウムシ対策にダイアジノン粒剤5%の散布を行いました。11月という事もあり、その他の害虫被害はあまりなさそうなので3月頃の虫が出始める季節に適時対応予定です。


ダイアジノン5.0%は有効成分(2-イソプロピルー4-メチルピリミジルー6)-ジエチルチオホスフェートでネキリムシ、ハムシ、コオロギ、タネバエ、ケラ、コガネムシなどの害虫に速効的で、60種以上の作物群にも適用があり幅広く使えます。

ネキリムシに対しては有効成分がペルメトリンの製剤よりも対応できる作物や害虫の種類が多いので、これ一つでかなり効率よく家庭菜園、農園で野菜作りが出来ます。

アルバリン粒剤の特徴
  • 有効成分ジノテフランは魚類・鳥類・天敵などに安全性が高い
  • 広範囲の害虫と作物に適用がある

予定としてはハモグリバエやアブラムシが出だす少し前3月中に使用したいと考えています。

ベニカベジフル乳剤はさやえんどうに対してはナモグリバエ、ヨトウムシ類、ウラナミシジミに対してのみの適用ですが、薬剤的にはエンドウの地上部に発生するほとんどの害虫をカバーできそうなのでベニカベジフル乳剤を使う予定です。

準備した病気用農薬

うどんこ病、灰色カビ病にはZボルドーとカリグリーンで対応をします。

立枯病については生育初期に発生しやすく

  • 連作障害に注意
  • 水はけの良い土壌
  • 苦土石灰で土壌の中和と共に殺菌

する事で対応します。

Zボルドーは銅殺菌剤で 徐々に放出される銅イオンにより、 作物を糸状菌病害や細菌性病害から保護します。また、日本農林規格(JAS)の有機農産物栽培においても使用可能。野菜類でも登録を持っていて適応病もとても多く、色々な作物に使用できます。予防的に使用が効果的です。

カリグリーンは成分が炭酸水素カリウムです。以下の様な特徴があります。

  • うどん粉病や灰色カビ病、さび病に効果がある
  • 作物の収穫前日まで使用でき、使用回数制限がない
  • カリウム肥料としても登録がある
  • 有機農産物の日本農林規格(有機JAS)に適合している
  • 野菜類として登録があり適用作物が多い
  • 展着剤とともに使用する

治療効果のみで予防効果はありません!

展着剤


植物の葉っぱにはワックス成分のようなものがついているため、単純に水分を吹きかけてもはじいてしまいます。そのため界面活性剤の入った展着剤をZボルドー等に混ぜて使います。広めの家庭菜園をする場合には農薬単体と展着剤を別々に購入した方がコストはかなり安くつきます。

農薬はよく説明書を読んで使用しましょう!

エンドウの栽培手順

エンドウの基本的な栽培手順です。農薬や追肥は予定のタイミングを書いています。

エンドウの栽培手順
  • 育苗種まき
    育苗用トレーに野菜培養土を入れ種まき
    10月29日
    • 久留米ゆたか(実エンドウ)8株育苗
    • あまいえんどう(サヤエンドウ)8株育苗
    • 培養土に加水して湿らせてから種まきする。(後から加水して水分過多だと腐りやすくなる)
    実エンドウとサヤエンドウどちらが育てやすい?

    育てる手間は同じですが、サヤエンドウは開花から15日程度で収穫できますが、実エンドウは30日以上かかります。また、サヤエンドウの方がこまめに沢山収穫出来ます。少しだけエンドウを育てるならサヤエンドウをメインで育てた方が楽しめると思います。

  • 土作り
    貸農園の土作り
    • 植付け2週間前に1㎡あたり150gの苦土石灰をまく
    • 植付け1週間前に1m²当たり堆肥2kgと元肥を施用。元肥は栽培期間が長いので長期間効果のある肥料を使用(マイガーデンは約1年間効果持続)

    通常の化成肥料で元肥を行う場合は1㎡あたり、(N:P:K=8:8:8)で約50g、過リン酸石灰は軽く1握り(約30g)を施用します。

  • 育苗終了植付け
    育苗した苗の植付け
    11月22日
    左2列が久留米ゆたか、右2列があまいエンドウの苗です。11月22日
    貸農園に植え付けたエンドウの苗です。11月22日
    • 久留米ゆたか6/8株育苗成功
    • あまいエンドウ7/8株育苗成功
    • あまいえんどうは暖かかったため少し大きく育ちすぎた
    • うね幅150cm~180cm
    • 株間25cm~30cm
    • ネキリムシ、ヨトウムシ対策でダイアジノン粒剤5%を施用
    • マルチを敷く(今回はもみ殻で行う)
    植えつけ時の反省点

    初めての栽培でわからずに1ヵ所に1株で植えつけましたが、1ヵ所に2株ずつ植えつけた方がツルの安定もよく収穫量も増える事を知りました。

  • 支柱立て
    エンドウの苗が15~20cmになるまでに、1.5~2mの支柱を立てて誘引する。霜よけの為にエンドウの苗の上にワラをかぶせる。
    支柱立てに使用した道具
    • 用意した支柱:高さ180cmの型の支柱3本、横幅360cm(180cmの支柱2本をくっつける)を2本(ネットの上下分)
    • ネットはエンドウ用ネット支柱のサイズに合わせて売っています。
    • 藁(わら)霜よけ用適量
    • 麻ヒモ(結ぶ用)
    2020年12月3日支柱を立て。霜よけは後日施す予定です。写真ではネットの下の部分をひもで通してていますが、ネットは出来るだけ張るように設置した方が良いそうで、ネットの下は後日支柱に変えて重さでネットが張るようにしました。
    2020年12月10日ネットの下の部分を紐から支柱に変えました。その後、霜よけのワラを施しました。苗の前後にワラを土に挿して安定させてから藁の上の部分と支柱をひもで結んで固定しました。
    12月22日エンドウの苗の様子を見に行くと草木灰がまかれていました。多分いつも私の畑の様子を見に来て教えてくださる貸農園の先輩おじいさんが施してくれたのだと思います。家に帰って調べると草木灰はカリウム肥料・酸度調整作用・うどん粉病予防効果があり、カリウム好きのエンドウの味を良くする肥料でした。次会ったらお礼言わなくては!
  • 追肥⓵
    1回目の追肥

    苗を植付け後1ケ月後~2月までに化成肥料(8-8-8)で1㎡あたり30g分の追肥を行う。1年間効果のあるマイガーデンを使用の場合は追肥不要

    • ★2021年1月3日(植付けから45日目位)に1㎡あたり30gの化成肥料を追肥しました★
    2021年1月12日強い寒波久々に雪が積もりました。
    2021年1月25日寒波にも負けず順調に育っています。強い寒さに当たったのでとても美味しくなりそうです。
    2021年2月13日の様子です。1株だけ花が咲いてしましました。本来なら3月末から4月頃に咲いてほしかったのですが、植物も成長に個体差がありますね。ちなみに、1月3日に追肥してからエンドウは手入れは何もしていません。

  • 害虫対策
    3月に入ったら病害虫対策
    予定している病害虫対策
    • アルバリン粒剤➡ハモグリバエ対策(適用は無いがアブラムシにも効果)2021年3月5日に9g/㎡を株元散布しました。
    • Zボルドーによる病気予防。2021年3月7日に細菌感染対防に使用。
    • カリグリーンはうどん粉病、灰色カビ病の症状が出れば使用
    • つるが込んできたら整枝して風通しをよくする(うどん粉病対策)
  • 追肥②
    開花前に2回目の追肥を行う

    開花前に化成肥料(8-8-8)で30g分の追肥を行う。以降1ヶ月に1回追肥を行う。1年間効果のあるマイガーデンを使用の場合は育成を見ながら液肥を使用

    • ★2021年3月12日に1㎡あたり30gの化成肥料を追肥しました★
  • 整枝
    つるに日がよく当たるように花着きの悪い分枝は早めに摘み取って全体の日当たり、風通しをよくする

    エンドウの着果は第1分枝(親づる)に多く第2分枝(子づる)第3分枝(孫づる)の順で着果が少なくなります。

    枝の摘み取りに関しては主に以下の様な3つの方法があります

    1. 大きいエンドウを収穫するために第1枝以外は摘み取る
    2. 3月下旬ごろまでは枝をそのまま伸ばし、それ以後に出てくる高温期の分枝は良い着果が無いので摘み取る
    3. 栽培期間を通して日照や風通しに影響のある分枝だけ摘み取る

    枝を多く残すほど栄養が分散される為、大きなエンドウが収穫しにくくなります。数を収穫する場合には子づるまでは残すなど、分枝を残す方法を選択する事もあります。私に野菜栽培を教えてくれるおじさんは第1枝以外は摘み取る方法で長年栽培されています。

    今回私は植えつけ株数がとても少なかったので「3.栽培期間を通して日照や風通しに影響のある分枝だけ摘み取る」の方法で栽培してみる事にしました。

    親づる以外を摘み取るイラスト例

    エンドウ
    2021年3月12日子づるもどんどん伸び始めています。第1枝だけを伸ばす栽培方法の場合には子づるが出てきたらどんどん摘み取っていきます。
    エンドウ
    2021年3月20日気温が上がりだして一気に成長が進みだしました。今回は極力わき芽を摘み取らない方法で育てる事にしたのでそのまま見守ります。
    整枝でわかったこと

    私が教わった枝の摘み取り方法を先ほど3パターン紹介しましたが、実際に育ててみると混み合い過ぎて日が当たらないような子ヅルがあれば摘み取る程度で十分エンドウは育ってくれます。あまり難しく考えなくて大丈夫でした。

  • 収穫
    サヤエンドウはさやが大きくなってその中の実のふくらみが外側からわずかに見え始めた時が収穫時期。
    実エンドウは実が太り、サヤにしわが出始めた時が収穫時
    25℃以上になると徐々に枯れ始める。収穫終了。
    エンドウ
    2021年3月28日のエンドウの様子です。実が少しずつ出来てきました。

    エンドウがハモグリバエの被害
    2021年4月7日の様子

    ナモグリバエに少し葉が食害され始めました。古い葉の部分だけです。被害が少ない事と収穫が近いので手の指で葉を挟んで駆除しました。

    ナモグリバエの被害が大きく、薬剤に頼る必要がある場合には「準備した害虫用農薬」の所で紹介した、ベニカベジフル乳剤が使えますが、2021年4月7日時点で実エンドウには収穫14日前まで、サヤエンドウは収穫前日までと使用できる時期が異なるので注意が必要です。


    2021年4月7日。収穫出来そうなサヤエンドウが沢山出来てきました。
    サヤエンドウ(スナップエンドウ)
    2021年4月7日試しにサヤエンドウを4つ収穫してみました。茹でて食べてみましたがとても甘くて美味しかったです。豆類は特に採りたてが美味しいですよね。
    実エンドウ
    2021年4月20日に収穫した実エンドウです。実がとても綺麗で思わず見とれてしまいました。

豆ごはんや、スープ、稲荷ずしなど美味しい料理が沢山作れるエンドウ今から楽しみです。基本の栽培方法に沿って栽培過程を加筆や画像追加していきます。また覗いてみてくださいね。

今日もありがとうございました。

今までに育てた菜園野菜です。是非覗いてみて下さいね!

五十音順で並び替えも出来ます。

ブログ内菜園野菜と種まき時期一覧表

リンク先に各野菜の栽培方法・病害虫について書いています。是非覗いてみて下さいね!
〈種まき・球根植付け時期は〇〉〈苗の植付け時期は🔶〉
五十音順で並び替えも出来ます
作物名1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
エンドウ〇🔶🔶
オカワカメ
オクラ〇🔶🔶
カブ(聖護院カブ)
キュウリ〇🔶〇🔶〇🔶🔶🔶
茎ブロッコリー(スティックセニョーラ)〇🔶〇🔶〇🔶〇🔶〇🔶〇🔶🔶🔶
コールラビ
ゴーヤ🔶🔶
サトイモ
シカクマメ(四角豆)〇🔶〇🔶
ジャガイモ
シュンギク(春菊)
ダイコン(大根)
チンゲン菜
トマト・ミニトマト〇🔶🔶
ニンジン(人参)
ネギ(九条ネギ)
パセリ
ピーマン🔶🔶🔶
ホウレン草
ミツバ
ヤマイモ(自然薯)、ムカゴ(零余子)
ラッキョウ
ルッコラ(ロケット)
ローズマリー
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