家庭菜園でミツバ栽培。上品な香りが魅力の香味野菜

ミツバ 野菜の育て方

こんにちは ねこの静六です。

今日はミツバの栽培について書きたいと思います。

ミツバはネギと同様に非常に使い勝手のよい香味野菜です。親子丼やお吸い物、炊き込みご飯に入れれば味わいがグッと上品になります。ナムルやおひたしにしてたべれば、香味を思う存分楽しめます。

私の家では植えっぱなしの状態ですが、何年も育ってくれています。

栽培するにあたって調べた基礎的な情報や手順、使用できる農薬について書いています。栽培経過や栽培のコツなど、新たに発見した事も随時加筆しています。

ミツバの植物としての特徴

植物としての特徴
  • 科名属名:セリ科ミツバ属
  • 原産地:日本
  • 発芽適温:15℃~25℃(発芽まで7日~10日)
  • 生育適温:10~20℃
  • 草丈:30cm程度まで成長する
  • 耐寒性:やや強い(地上部は霜にあたって枯れますが、根は寒さに強く3月位になるとまた新葉が伸びてきます)
  • 耐暑性:弱い
  • 土壌:弱酸性(pH6.0~6.5)
  • 日照:半日蔭~日陰
  • 水やり:土は乾燥させない事がコツ
  • 種まき時期:3月中旬~5月、9月~10月(好光性種子)
  • 収穫期(摘み取り)3月~12月の期間収穫可能
  • 連作障害:あり。同じ場所に植える時は3~4年空ける

ミツバの薬膳としての特徴

薬膳としての特徴
  • 性質:涼 (熱・温・平・涼・寒の5段階)
  • 体に効く場所:肝・脾
  • 働き:気を補い巡りを良くする。神経の高ぶりを抑える。
  • 利用目的:リラックス、イライラ、元気が出ない時

春先から初夏に起こりやすい、なんとなく気持ちが落ち着かない、イライラする、体調を崩しやすいといった症状にミツバはぴったりです。

ミツバ栽培で注意したい主な害虫・病気

ミツバ栽培で発生する主な病害虫は以下の様なものがあります。

主な害虫
  • アブラムシ
  • キアゲハ
  • ヨトウムシ
  • ハダニ
主な病気
  • モザイク病
  • さび病
  • べと病

害虫・病気に対応する薬剤

ミツバの病害虫対策は以下の様なものが検討されます。JAS法に基づく有機農産物生産にも使用できる薬剤だけで対応出来そうです。

  • アーリーセーフ:アブラムシ対策(アブラムシを媒介して発症するモザイク病も抑えられる)
  • ゼンターリ顆粒水和剤:ヨトウムシ、キアゲハ
  • 苦土石灰の上澄み液:ハダニは水が嫌いなため、苦土石灰1gを水1ℓに懸濁した上澄み液をミツバ全体に散布
  • カリグリーン:さび病対策
  • Zボルドーの予防散布:べと病

この中でアブラムシとハダニは発生頻度が高いので対策が必要です。後は症状が出てからでも良いかもしれません。私自身ミツバ栽培ではアブラムシとハダニの被害がほとんどです。

ハダニに関しては夏場の高温期に湿気のある日陰で管理出来れば被害がかなり減らせます。

準備した害虫用農薬

害虫用農薬
ゼンターリ顆粒水和剤 

ゼンターリ顆粒水和剤はBT剤と呼ばれる種類の農薬です。添付の説明書通りの水に溶解して使用します。BT剤は自然界にいるバチルス チューリンゲンシスという微生物が作る成分をチョウ目害虫が食べる事で毒性を発揮します。

ゼンターリ顆粒水和剤の特徴
  • 野菜類・果樹類・いも類・豆類に収穫前日まで使用可能
  • JAS法に基づく有機農産物生産にも使用できる
  • BT剤の中でも適用害虫が多い
  • 散布後、害虫が退治されるまでは時間を要しますが、食害は直ちに止まるため被害防止に役立ちます。効果はハスモンヨトウ(無降雨条件)で約1~2週間持続
  • 使用に当たっては展着剤を加用した方が良い

有機農産物生産にも使用できる農薬ですがアオムシ、ヨトウムシ、コナガ、メイガなどにとてもよく効きます。


アーリーセーフ 

アーリーセーフは天然物(ヤシ油)由来の脂肪酸グリセリドが有効成分です。野菜類やハーブのハダニ、アブラムシ、コナジラミ、うどんこ病の防除使用できます。

アーリーセーフの特徴
  • 有機JAS規格(オーガニック栽培)で使用可能です
  • 収穫前日まで使用できるので、家庭菜園での使用に便利です

アーリーセーフは薬液で害虫を溺れさすような効き方をする薬剤なので葉裏等に散布むらを生じないように丁寧に散布する必要があります。

準備した病気用農薬

病気用農薬
Zボルドー水和剤

Zボルドーは銅殺菌剤で 徐々に放出される銅イオンにより、 作物を糸状菌病害や細菌性病害から保護します。また、日本農林規格(JAS)の有機農産物栽培においても使用可能。

Zボルドーについては以前記事に詳しく書きました。興味がある方は覗いてみてくださいね。


カリグリーン

カリグリーンは日本農林規格(JAS)の有機農産物栽培においても使用可能な農薬で、カリウム肥料として利用したり、ビニールハウスでは炭酸ガス効果を期待して利用したりもします。

カリグリーンの特徴
  • 有効成分は炭酸水素カリウム(重炭酸カリウム)
  • うどん粉病や灰色カビ病、さび病に効果がある
  • 作物の収穫前日まで使用でき、使用回数制限がない
  • カリウム肥料としても登録がある
  • 有機農産物の日本農林規格(有機JAS)に適合している
  • 野菜類として登録があり適用作物が多い
  • 展着剤とともに使用する

展着剤

展着剤
ダイン


植物の葉っぱにはワックス成分のようなものがついているため、単純に水分を吹きかけてもはじいてしまいます。そのため界面活性剤の入った展着剤を「展着剤の加用が望ましい」と説明書に記載されている農薬で使用します。広めの家庭菜園をする場合には農薬単体と展着剤を別々に購入した方がコストはかなり安くつきます。

農薬はよく説明書を読んで使用しましょう!

ミツバの栽培手順

私が行っているミツバの栽培手順です。

ミツバの栽培手順
  • 土づくり
    • 種まきの2週間前に苦土石灰50g/㎡を入れて耕す
    • 1週間前に堆肥2Kg/㎡と有機入り化成肥料(N:K:P=8:8:8)70g/㎡を入れて耕す
    • 幅60㎝、高さ10㎝の畝を立てる

    プランター栽培では野菜用の培養土を使うと簡単です。

  • 種まき
    ミツバの種
    ミツバの種です。セリ科特有の形です
    • 種を一晩水につける。(発芽率が低い為)
    • 深さ5㎜程度のまき溝を作って1cm間隔で種をまき、ごく浅く覆土する
    • 種が浮き上がらないように気を付けながらたっぷりと水やりをする
    • 発芽までの7日~10日間は土表面が乾かないように水やりを行う

    発芽までに土表面が乾いてしまう日があると発芽率が極端に下がったり、発芽までの時間が長くなります。

  • 間引き

    ミツバ
    ミツバは同じせり科のニンジンによく似ています。
    ミツバ
    本葉が3枚のミツバです。この頃に5~6cm間隔に間引きを行います。(間引きしなくても育ちます)

    本葉が2、3枚になる頃に5~6cm間隔になるように間引く。密に育てた方が葉や茎が柔らかくて美味しいので、間引きはあまり丁寧にしなくても大丈夫です。

    私は食べる分だけ摘み取る程度の手入れしかしていません。それでもどんどん成長してくれています。

  • 追肥

    追肥は2週間に1回程度行っています。化成肥料での追肥でも良いと思いますが私は液体肥料で追肥を行っています。水が好きな作物は液体肥料の方が効果が良い様に私は感じています。

    プロフェッショナルハイポネックス20-20-20はN:P:K=20:20:20と高濃度の粉末の液体肥料です。微量要素も含まれていて私は気に入って使用しています。

  • 収穫
    2021年3月24日の様子です。2月末から新芽が出てきて立派に成長しています。食べる分だけ摘み取るだけの管理なのでかなり密集しています。新芽は香り高くとても美味しいですよ!

    草丈が15センチくらいになったら根元から5センチほど残してはさみで刈り取るります。摘み取る際に葉を何枚か株に残しておくと新芽の成長が早まります。いくらか種が出来るまで放置しておくとこぼれ種からまた新たなミツバが発芽してくれます。

  • その他
    管理のポイント
    • ハダニ対策の為に夏場の高温期には日陰で管理し、湿り気を保つ
    • 寒くなると霜にあたらない様に管理する

    以上の点を注意すると春先から本格的な冬前まで長く収穫ができます。

収穫したてのミツバはとても香り高くて美味しいです。是非育ててみてくださいね。

今日もありがとうございました。

今までに育てた菜園野菜です。是非覗いてみて下さいね!

五十音順で並び替えも出来ます。

ブログ内菜園野菜と種まき時期一覧表

リンク先に各野菜の栽培方法・病害虫について書いています。是非覗いてみて下さいね!
〈種まき・球根植付け時期は〇〉〈苗の植付け時期は🔶〉
五十音順で並び替えも出来ます
作物名1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
エンドウ〇🔶🔶
オカワカメ
オクラ〇🔶🔶
カブ(聖護院カブ)
キュウリ〇🔶〇🔶〇🔶🔶🔶
茎ブロッコリー(スティックセニョーラ)〇🔶〇🔶〇🔶〇🔶〇🔶〇🔶🔶🔶
コールラビ
ゴーヤ🔶🔶
サトイモ
シカクマメ(四角豆)〇🔶〇🔶
ジャガイモ
シュンギク(春菊)
ダイコン(大根)
チンゲン菜
トマト・ミニトマト〇🔶🔶
ニンジン(人参)
ネギ(九条ネギ)
パセリ
ピーマン🔶🔶🔶
ホウレン草
ミツバ
ヤマイモ(自然薯)、ムカゴ(零余子)
ラッキョウ
ルッコラ(ロケット)
ローズマリー

野菜の育て方
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