こんにちは ねこの静六です。
今回はコールラビ栽培について書きたいと思います。
コールラビはキャベツの仲間です。あまりスーパーなどで見かけませんが意外な事に日本にも明治時代にはヨーロッパから渡ってきているそうです。
地元の野菜を販売している道の駅で初めてコールラビを見つけ、「どんな野菜なんだろ?」ってとても気になり育ててみました。
今ではその美味しさに魅了されてしまい、晩冬、初夏、秋と年に3回も種まきし、ほぼ一年中食べる位育てています。色んな野菜を育ててますが、コールラビ栽培は一番自信があるかもしれません!
栽培するにあたって調べた基礎的な情報や栽培手順、使用できる農薬について書いています。
コールラビの基礎情報
- 科名属名:アブラナ科アブラナ属
- 別名:カブカンラン、キュウケイカンラン、カブラハボタン
- 発芽適温:15℃~30℃
- 生育適温:15~25℃
- 耐寒性:強い
- 耐暑性:強い
- 発芽までの日数3日~6日
- 土壌:弱酸性~中性(pH6~7)
- 日照:日なた
- 水やり:乾燥に強くない(夏の暑い時期に土が乾いてしまう場合はたっぷり水をあげる)
- 種を蒔く時期:2月~9月末まで
- 収穫:種まきから60~90日
- 樹高:30cm~40cm
- 収穫期:球の直径が6~10cmになったら収穫
- 連作障害:あり。1~2年空ける
- その他:サラダ、スープ、煮込み料理、焼き料理など使い勝手が良い野菜。
- その他:生ではシャキシャキ食感、火を通すとカブに似た食感になります。
コールラビの食品成分表を見るとビタミンCが多い事が特徴です。
栄養素 | 生食 | ゆで |
---|---|---|
ビタミンC含有量 | 45mg | 37mg |
生のコールラビはカボチャやキャベツ、えんどう、こまつなよりもビタミンCが多いです。また、コールラビはゆでてもビタミンCがあまり減らない事が特徴です。
コールラビ栽培で注意したい主な害虫・病気
- アブラムシ
- アオムシ
- コナガ
- ヨトウムシ
- ハイマダラノメイガ
- 立枯病
- 根こぶ病
害虫・病気に対応する薬剤
コールラビに使用できる農薬を調べましたが、2021年2月24日時点では野菜類に適応のある農薬しか使用できません。
今回は野菜類として登録があり、JAS法に基づく有機農産物生産にも使用できる農薬のみで対応する事にしました。
準備した害虫用農薬
害虫用としてはゼンターリ顆粒水和剤とアーリーセーフを準備しました。
ゼンターリ顆粒水和剤
ゼンターリ顆粒水和剤はBT剤と呼ばれる種類の農薬です。添付の説明書通りの水に溶解して使用します。BT剤は自然界にいるバチルス チューリンゲンシスという微生物が作る成分をチョウ目害虫が食べる事で毒性を発揮します。
有機農産物生産にも使用できる農薬ですがアオムシ、ヨトウムシ、コナガ、メイガなどにとてもよく効きます
アーリーセーフ
アーリーセーフは天然物(ヤシ油)由来の脂肪酸グリセリドが有効成分です。野菜類やハーブのハダニ、アブラムシ、コナジラミ、うどんこ病の防除使用できます。
アーリーセーフは薬液で害虫を溺れさすような効き方をする薬剤なので葉裏等に散布むらを生じないように丁寧に散布する必要があります。
準備した病気用農薬
立枯病と根こぶ病については薬剤を使用するよりも以下の様な土壌環境に注意して対応します。
- 連作障害に注意
- 水はけの良い土壌
- 苦土石灰で土壌の中和と共に殺菌
上記対応を行い、コールラビの至適土壌pH6~7にできれば立枯病、根こぶ病はあまり発生しないと思っています。
その他のカビや細菌による病気を想定してZボルドー水和剤と、カリグリーンを準備しています。
Zボルドー水和剤
Zボルドーは銅殺菌剤で 徐々に放出される銅イオンにより、 作物を糸状菌病害や細菌性病害から保護します。また、日本農林規格(JAS)の有機農産物栽培においても使用可能。
Zボルドーについては以前記事に詳しく書きました。興味がある方は覗いてみてくださいね。
カリグリーン
カリグリーンは日本農林規格(JAS)の有機農産物栽培においても使用可能な農薬で、カリウム肥料として利用したり、ビニールハウスでは炭酸ガス効果を期待して利用したりもします。
展着剤
ダイン
植物の葉っぱにはワックス成分のようなものがついているため、単純に水分を吹きかけてもはじいてしまいます。そのため界面活性剤の入った展着剤を「展着剤の加用が望ましい」と説明書に記載されている農薬で使用します。広めの家庭菜園をする場合には農薬単体と展着剤を別々に購入した方がコストはかなり安くつきます。
農薬はよく説明書を読んで使用しましょう!
コールラビの栽培手順
コールラビの栽培手順です。農薬や追肥は予定のタイミングを書いています。私も初栽培なので、栽培しながら写真や日時を更新していきます。
- ①育苗用トレーに野菜培養土を入れ種まき今回使用した種リンク
種まきは2021年3月1日に行いました。まだ寒い日が続くので植付けまではミニ温室で育てる事にしました。
- 今回はセルトレーで苗づくり
- 発芽率80%以上なので1つのセルに2粒の種をまく
- 好光性種子なので覆土は5㎜位
- 土は市販の培養土を使用
- 種が流れないように注意しながらたっぷり水やりする
- 種まき後は本葉が3枚から4枚くらいなる頃に1セルに1本の苗に間引き、葉5枚前後になるまで育苗する
サカタのタネのラビオとラビコという種を購入しました。種まきから60日~90日で収穫できる品種です。緑と紫二種類のコールラビが作れます。 春から秋まで長く栽培できそうです。暑さ寒さに強そうな印象があります。 こんな種でした。紫と緑のコールラビの見分けはつきません。 2021年2月22日9株の苗づくり。発芽率が80%以上あるので1つのセルに2粒種をまきしました。 こんな感じのミニ温室で育苗します。ホームセンターのDCMで500円位で販売していました。 2021年3月7日双葉がしっかり出てきました。本葉が5枚~8枚になるまでは育苗です。 2021年3月25日まだ気温が低かったのか育ちがとてもゆっくりです。ここから本葉5枚位まで育つ間に適度に間引いて1トレー内に1株にしました。 春秋の条件の良い季節ならば種まきから30日程度で植付け可能な苗になります。2021年の2月~3月は特に寒かったこともあって植付苗になるまでに50日程かかりました。
気温が15℃以上あるようでしたら地植えでも十分発芽します。
本葉が2~3枚以上出てから間引いた苗はかなり強く、間引いた苗を空いてるトレーや畑に植付けてあげると簡単に根付いて育ってくれます。
- ②コールラビ栽培の土作り
- 苗の植付け2週間前に苦土石灰120g/㎡施肥する
- 苗の植付け1週間前に堆肥2㎏/㎡と元肥(N:K:P=8:8:8の化成肥料を100g/㎡)を施肥する
- 畝づくり:畝幅40cm、深さ20cmで畝を作成
- ③苗の植付け
ラビコ(紫のコールラビです)2021年4月15日に植付 ラビオ(緑のコールラビです)2021年4月15日に植付 苗の本葉が5枚位になったら株間20cmで畝に植付ける
- 植え付ける前の苗に水を与える
- 植付け後も苗にたっぷりと水を与える
この期間に行った病害虫処理- 2021年4月15日防虫ネットを使用
- 2021年4月16日病気予防にZボルドー使用
- 2021年4月17日ヨトウムシ等のチョウ目害虫の食害予防にゼンターリ顆粒水和剤使用
有機農産物生産にも使用できる薬剤での処理です
- ④追肥と土寄せ
以下のタイミングで2回追肥(N:K:P=8:8:8の化成肥料50g/㎡)を行う
- 本葉が10枚のころ
- 玉の肥大が始まるころ
追肥は畝の両側に均等にばらまき、土に肥料を混ぜ込みながら株元へ土寄せする
2021年5月4日本葉が10枚前後になったので追肥と土寄せを行いました。 2021年5月14日玉の肥大が始まりました。もう直径4cmほどあります。2回目の追肥と土寄せを行いました。1回目の追肥から成長が急に早くなった感じです。防虫ネットが収まりきらなくなり外しました。 この期間に行った病害虫処理- 2020年5月10日病気予防に2回目のZボルドー使用
- 2021年5月14日防虫ネットを外したタイミングでヨトウムシ等のチョウ目害虫の食害予防にゼンターリ顆粒水和剤使用
有機農産物生産にも使用できる薬剤での処理です
- ⑤収穫
球の直径が6~10cmになったら収穫出来ます。収穫が遅れると肥大して硬くなり繊維質が多くなります。
2021年5月23日のコールラビ。直径8cm位になりました。もう収穫出来ます。 収穫時の動画です。結構根がしっかりしています。 2021年5月23日初収穫しました。 葉を落としたコールラビ。 包丁で切ってみるとこんな感じです。 皮をむいたコールラビ コールラビは球形の茎はもちろん、むいた皮、葉も食べられます皮は結構硬いので包丁の扱いは注意が必要です。白い部分が完全に見えるまでは剝いてしまわず、緑色が少し残る位にした方が食感が楽しめます。
球形の茎はサラダ、スープ、フライパンで焼く等、何をしても美味しいですが、私は甘みをとても楽しめるサラダが一番好きです。
葉は細かく切って浅漬けや炒めて甘辛く味付けしてふりかけにして食べると美味しかったです。
剥いた皮は、一口サイズに切って塩コショウで焼くと歯ごたえの良いキャベツみたいでとても美味しいです。
- 農薬について
球形の茎がとても丈夫なので、茎が肥大し始める頃まで防虫ネットで管理出来れば深刻な病害虫の被害は少ないです。害虫対策はゼンターリ顆粒水和剤だけで十分でした。病気予防にはZボルドーをあらかじめ使用していましたが、かなり丈夫そうな野菜なので次は完全無農薬で作ってみたいと思います。
追記:2021年9月からの秋植えのプランター栽培では完全無農薬で育てられました!撮影日:2021年11月15日 葉はアオムシに食べられましたが、茎が肥大してくる11月には気温も低くなり始めた事と、肥大した茎は表皮がとても強く、害虫被害はほぼ出ませんでした。
まだまだマイナー野菜のコールラビ。栽培に60日~90日程と時間がかかりますが可愛い見た目とは違い丈夫でとても育てやすかったです。是非一度チャレンジしてみてください!
今日もありがとうございました。
今までに育てた菜園野菜です。是非覗いてみて下さいね!
五十音順で並び替えも出来ます。
ブログ内菜園野菜と種まき時期一覧表
リンク先に各野菜の栽培方法・病害虫について書いています。是非覗いてみて下さいね!〈種まき・球根植付け時期は〇〉〈苗の植付け時期は🔶〉
五十音順で並び替えも出来ます
作物名 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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エンドウ | 〇 | 〇🔶 | 🔶 | |||||||||
オカワカメ | 〇 | 〇 | ||||||||||
オクラ | 〇 | 〇🔶 | 🔶 | |||||||||
カブ(聖護院カブ) | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||||
キュウリ | 〇 | 〇🔶 | 〇🔶 | 〇🔶 | 🔶 | 🔶 | ||||||
茎ブロッコリー(スティックセニョーラ) | 〇 | 〇🔶 | 〇🔶 | 〇🔶 | 〇🔶 | 〇🔶 | 〇🔶 | 🔶 | 🔶 | |||
コールラビ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
ゴーヤ | 〇 | 〇 | 🔶 | 🔶 | ||||||||
サトイモ | 〇 | 〇 | ||||||||||
シカクマメ(四角豆) | 〇🔶 | 〇🔶 | ||||||||||
ジャガイモ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||||
シュンギク(春菊) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
ダイコン(大根) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||||
チンゲン菜 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
トマト・ミニトマト | 〇 | 〇 | 〇🔶 | 🔶 | ||||||||
ニンジン(人参) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
ネギ(九条ネギ) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
パセリ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
ピーマン | 〇 | 〇 | 🔶 | 🔶 | 🔶 | |||||||
ホウレン草 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||
ミツバ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||
ヤマイモ(自然薯)、ムカゴ(零余子) | 〇 | 〇 | ||||||||||
ラッキョウ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||||||
ルッコラ(ロケット) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||||
ローズマリー | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
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